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執筆者の写真Task Ito

ケース2:赤坂さくら歯科クリニック 土黒さくら先生


今回のインタビューは、赤坂さくら歯科クリニック院長の土黒さくら先生です。32歳という若さで自由診療専門のクリニックを開業し、歯科医療の質の向上と患者満足度の追求に日々励んでいる素晴らしい先生です。


土黒先生は、幼少期から経営者を志し、2年の浪人生活を経て歯学部に進学。卒業後は様々な分野で経験を積み、赤坂さくら歯科クリニックを開業されました。自由診療専門のクリニック開業という背景には、「最新の技術と丁寧な対応で患者様一人ひとりのニーズに応えたい」という土黒先生の強い思いがあります。「誠実」「勤勉」「信頼」を理念に掲げ、患者との信頼関係構築に全力を注ぐ姿勢は、クリニック全体に浸透しています。


土黒先生:本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。開院に至るまでの経緯や想いなどを率直にお話しできればと思います。


ーーこちらこそありがとうございます!土黒先生は、小さい頃から経営者を目指されていたそうですね。


土黒先生:両親が不動産業を営んでおり、身近で働く姿を見ていたので自然と経営者というビジョンを抱いていました。一方で、子供の頃から虫歯が多く歯医者通いが多かったこともあいまって、歯科分野にも自然と興味が湧いてきました。その結果、現在の歯科クリニック経営というお仕事に至った感じですね。


ーー歯科医の先生は、ご両親や親族の方が歯科医であるケースが多いですが、土黒先生は違うのですね。


土黒先生:はい。両親はもちろん、親族にも歯科関係の仕事をしている人はいませんでしたね。結構珍しいケースかもしれません。


ーー歯学部への進学は順調だったのでしょうか。


土黒先生:実は私、二年浪人しているんです。現役時代には、薬学部や工学部に受かっていたのですが、悩んだ結果やはり歯科医になりたい気持ちが強く、浪人を決めました。そこでスッと受かればよかったのですが、浪人一年目は思うように学力が上がらず、結局二浪することになりました。両親には相当心配をかけたと思います。


大学時代は勉強一色ではなく、アルバイトや大学生らしい遊びなど充実した日々を送りました。一学年50名強とちょうどよいサイズ感だったのもあり、濃い関係を築くことができました。海水浴をしたり山登りをしたり、ご当地名物の焼酎を飲んだりと、楽しい大学生活でした。歯科医院でのアルバイトもしましたが、それ以外に飲食店で働いたりもしましたね。




ーー卒業後の進路はどのようなものだったのでしょうか。


土黒先生:研修医として医科歯科大学で学んだ後、都内の著名な矯正歯科医院に就職しました。ワイヤーやインビザラインなどをしっかりと学ばせていただき、矯正治療のプロフェッショナルとして胸を張れるだけの知見と経験を得ることができました。その後、関西の歯科法人に移り分院長を務めた時期を経て、再び勤務医として東京に戻りました。

東京に戻ってからの3年間は、矯正だけでなく訪問診療やインプラントなど幅広い診療に携わる機会に恵まれました。赤坂で働いていた時に、赤坂の患者さんたちの親切さや意識の高さに触れ、「将来はここで開業したい!」と強く魅力を感じました。


ーーそして現在の赤坂さくら歯科クリニックを開業された、という形ですね。


土黒先生:はい。もともとは30歳で開業する!という目標があったのですが、結果的に開業は32歳のときでした。自由診療専門のクリニックをこの年齢で立ち上げるのは異例だったようで、周りからは「度胸があるね」と驚かれました(笑)。確かに、保険収入がベースにないのは経営的にはかなり厳しい面もありますし、どうしても高額になってしまう自由診療をお客様に受け入れていただくのは容易ではありません。最初は本当に苦労しましたが、最近はリピートしてくださるお客様もたくさん増えており、非常に安定した経営ができるようになってきました。


ーー開院後、最も大変だった時期はいつごろでしょうか。


土黒先生:常に大変です(笑)。ただ、その分やりがいも感じていますね。全ての責任が自分にあるというプレッシャーもある一方、それはやりがいにも直結しています。


ーーすべてが自分の双肩にかかっている、というのは計り知れないプレッシャーでもありますが、その分喜びも大きいですよね。患者様からいただいた言葉で印象深かったものはありますでしょうか。


土黒先生:「やっぱり自由診療は違いますね!」と驚いていただけることが本当に嬉しいです。そういった患者さんの声から、自由診療の良さを広めていきたいという思いを新たにしています。マイクロスコープを用いることで、最小限の削る量で済ませたり、治療後に動画で説明したりと、自由診療ならではのきめ細やかな対応を大切にしています。

また、スタッフの対応を評価していただくのも嬉しいですね。私が見ていないところでも、スタッフが主体的に動いてくれているのは本当に心強い限りです。


ーーご自身のことを、どういう特徴がある歯科医師だと捉えていらっしゃいますか。


土黒先生:私は、何よりも人間が好きで、患者さま一人ひとりにとても強い興味を持っています。その人がどんなことをやっていて、どんな性格で、どんな好き嫌いがあるのか、しっかり把握したうえで治療をしたいといつも考えています。


また、クリニック内では患者さんの悪口を一切禁止するようにしています。もちろん、ときたま「あのお客様、少し怖かったね」という経験をすることはスタッフもありますが、それはそのままにせず、もっとお客様に寄り添うことができないか、適宜ディスカッションの時間も設けています。


もちろん私も人間なので、ネガティブなことがあると凹みます。ただ、そこで凹み続けていてもしょうがないので、そういうときはお客様たちからの感謝の言葉を思い出したり、解釈を変えることで自身を奮い立たせるようにしています。



ーー解釈を変える、というのはどういうことでしょうか。


土黒先生:例えば無断キャンセルがあったとき、普通はいい気持ちはしませんよね。「せっかく時間を取ったのに!」とネガティブな感情に一瞬支配されそうになったりします。でもそんなときに、「その分時間が空いたな」「この時間を使って気になっていたあの仕事をやってしまおう」みたいに考えることで、ヘンに引きずらず、有意義な時間が過ごせます。


ーー確かにネガティブなことを引きずり続けていてもいいことはないですもんね。土黒先生は、歯科医という専門家でもあり、クリニックのオーナーという経営者でもあります。どうやってバランスを取っているのでしょうか。


土黒先生:歯科医と経営者、両方の勉強を欠かさずにやるのはなかなか大変ですね。私は場所で切り替えをしています。クリニックにいる時間は治療やカルテ管理など医療面に集中し、自宅に戻ってからは経営関連の本を読んだりネットで情報収集したりして、メリハリをつけていますね。


私の場合、母としての一面もあります。子どもと一緒にいる時間は全力で向き合い、保育園に預けている間は仕事に打ち込むという切り替えもしっかりしています。オフの日はリラックスして過ごすことも忘れず、うまくリフレッシュできているかなと思います。


ーー非常に多忙かと思いますが、どのようにうまくスケジューリングをされているのでしょうか。


土黒先生:とにかく優先順位付けだと思っています。少し前まで、ついつい目の前のタスクに追われてしまい、優先順位が見えなくなってしまうときがありました。今は、定期的に仕事の棚卸をしつつ、重要度に応じて優先順位付けをする習慣をつけています。スタッフにも協力してもらいながら、とにかく大事なものから片付けていく。そうすることで、細かい作業も重要な作業と一緒に進めることができ、うまく進むようになりました。


ーーありがとうございます。赤坂さくら歯科クリニックをこれからどうしていきたいと考えていらっしゃいますか。


土黒先生:理念である「誠実」「勤勉」「信頼」の3つを胸に、患者さんのために尽くし続けていきたいです。自由診療だからこそ実現できる価値を追求し、マウスピース矯正や再生治療など選択肢を広げていくつもりです。単なる流行に乗るのではなく、患者さんの切実なニーズに応えられる体制を整えていきます。


たとえば当院では、インプラントよりも歯をできるだけ残せる治療の要望が多く、直近では根管治療のスキルアップに力を入れています。とにかくお客様が何を望んでいるのか、それをしっかりと把握したうえで、最高の治療をお届けし続けていきたいです。


ーーありがとうございます。私自身赤坂さくら歯科クリニックの大ファンなのですが、さらに素晴らしいクリニックに進化し続けていくのが本当に楽しみです。最後に、土黒先生の個人としてのこれからの目標を教えていただけますでしょうか。


土黒先生:経営者として、母として、女性として、歯科医療への関心を高め、歯科医師を目指す人を増やしていくことが私の使命だと感じています。日本の歯科レベルは諸外国と比べてまだまだ低いのが現状です。特に根管治療などは課題が山積みで、自らの研鑽を怠らないよう肝に銘じています。


YouTubeなどを通じた情報発信にも力を入れ、より多くの女性歯科医師が活躍できる土壌を作りたいですね。開業までの具体的なステップ、出産や育児との両立など、リアルな体験を赤裸々にシェアしていくつもりです。

娘にも「お母さんのようなステキな歯医者さんになりたい」と憧れを抱いてもらえるよう、背中で示していきたいです。娘にも心から誇れる仕事をしていきたいですね。


ーー土黒先生、本日は大変貴重なお話をありがとうございました。 


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